労働安全衛生法
労働安全衛生法
化審法でも説明しますが、新規化学物質とは、これまでわが国で製造・輸入が行われたことのない新規物質のことです。
新規化学物質は化審法だけでなく、労働安全衛生法でも事前確認の対象品目となります。
下記のフローチャートで、どのような申請が必要か確認しましょう。
①基準に定める試験研究のための輸入
次の(1)~(3)までに該当し、かつ「商業販売目的でないもの」は、有害性調査の適用が免除され、届出が不要です。
(1)実験室的な規模で行われる
(2)新規化学物質にさらされる恐れのある作業に従事する者が、当該試験研究の担当者に限られる
(3)新規化学物質が当該試験研究を行う場所以外の場所に持ち出されることがない
また、新規化学物質の全量を試薬として輸入する場合も、有害性調査の適用が免除され、届出が不要となります。
②製品やサンプルとしての輸入
以下のいずれかに該当する場合、有害性調査の適用が免除され、届出が不要です。
(1)一般消費者の生活の用の供される製品
(2)機械に密封されている場合
(3)サンプル
③安衛法の「既存化学物質」
以下のいずれかに該当する場合、届出の必要がありません。
(1)政令で定める既存化学物質
(2)厚生労働大臣が名称を公表した新規化学物質
(3)既存化学物質扱いとなる特定の化学物質
(4)既存化学物質扱いとなる特定の高分子化合物
④労働者が当該物質にさらされないための一定の要件
以下の条件をすべて満たす場合のみ、労働者が新規化学物質にさらされる恐れがない旨の確認が可能となり、有害性調査が不要となります。
(1)製造中間体、副生物又は廃棄物であること
(2)製造または取り扱いを行う場合に、次の条件をすべて満たすこと
・労働者が当該化学物質を開放して取り扱うことがない
・原料等の供給口、生成物等の取り出し口、フランジの部分等から当該新規化学物質が漏れないよう十分な機密性を持った密閉式の構造である
・設備等の機密性の低下による当該化学物質の漏えいを防止する措置が講じられている
⑤有害性がない旨の知見等
ここで言う「有害性」とは、「がん原性」のことを指します。
「既に得られている知見等」とは、当該新規化学物質の有害性の調査に関して学会誌等に公表されている報告であって信頼できる調査結果のほか、未公開であっても信頼できる調査結果であればそれを含みます。
海外等ですでに有害性がない旨の知見等が得られている場合、有害性調査の代わりに輸入日の30日前までに厚生労働大臣に確認申請を行う必要があります。
⑥予定輸入量が100kg/年
労働安全衛生法に基づく少量新規化学物質の輸入申請をすることで、有害性の調査が不要となります。
この場合、経済産業省から事前に提示された一定期間内に、少量新規化学物質の輸入申出書を提出することになります。