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化管法 PRTR制度の対象となる化学物質とは?

PRTR制度は、化管法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)によって設けられた制度で、有害性が疑われる化学物質が、どこから、どのくらい、環境(大気・水域・土壌などの)中へ排出されているか(排出量)、廃棄物などとして移動しているか(移動量)を把握し、集計・公表する仕組みのことをいいます。

PRTR制度の対象となる化学物質は「第一種指定化学物質」です。
第一種指定化学物質は354種類ありますが、次のいずれかの有害性の
条件に当てはまり、かつ、環境中に広く継続的に存在する物質のことで
あると定義されています。

◎人の健康を損なうおそれがあるもの、または動植物の生息、もしくは
生育に支障を及ぼすおそれがあるもの

◎その物質自体は人の健康を損なうおそれがあるもの、または動植物の
 生息もしくは生育に支障を及ぼすおそれがなくても環境中への排出後、
 化学変化を起こし、容易に上記の有害な化学物質を生成するもの

◎オゾン層を破壊するおそれがあるもの

また、第一種指定化学物質のうち、人に対する発がん性があるとの評価
がされている物質は「特定第一種指定化学物質」と呼ばれています。
特定第一種指定化学物質は、次の12種類が指定されています。

①石綿
②エチレンオキシド
③カドミウム及びその化合物
④6価クロム化合物
⑤塩化ビニル
⑥ダイオキシン類
⑦ニッケル化合物
⑧砒素及びその無機化合物
⑨ベリリウム及びその化合物
⑩ベンジリジン=トリクロリド
⑪ベンゼン
⑫メトキサレン

PRTR制度の年間取扱量や排出量などの届出は1輸入貨物に対して、
第一種指定化学物質は1質量%以上特定第一種指定化学物質は0.1
質量%以上を含有する場合に必要となります。

なお、第一種指定化学物質と同じ有害性の条件に当てはまり、製造量の
増加などがあった場合は環境中に広く存在することになると見込まれる
ものの、環境中に存在する量が少ないと考えられる化学物質は「第二種
指定化学物質」に区分されています(81種類)。
第二種指定化学物質は第一種と異なり、排出量などを国に届け出る必要
はありません。

ただし、輸入の後のことですが、第一種及び第二種指定化学物質を他の
事業者へ出荷する際は、有害性に関する情報や取扱方法などを記載した
MSDS(化学物質等安全データシート)を提供する必要があります。

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