植物防疫法
植物防疫法での分類
植物防疫法では、基本的に輸入する全ての植物は以下の3つに区分されます。
・輸入が禁止されているもの
・輸入時に検査が必要なもの
・輸入時に検査が不要なもの
これは、万が一日本に侵入した場合、農作物や緑に大きな被害を及ぼす危険性が強く、輸入時の検査では発見が困難な病害虫の寄主植物等があるからです。
更に、植物だけでなく、多くの病害虫が潜伏している可能性が高い土や、植物に有害な生きた病害虫そのものも輸入禁止の対象となっています。
輸入が禁止される植物
日本に侵入した場合、日本の農業生産に脅威をもたらす特定病害虫が生息する植物が対象です。
こちらは「植物防疫法施行規則別表」に記載されています。
特に注意したいのは、品目によっては「特定の地域」から発送又は経由した場合のみ禁止される、といった事もある点です。
例えば、「ハワイ諸島」から発送された「アボカド」は、別表ニにより輸入が禁止されています。
実際の分布状況は国や地域によって違うため、同じ植物であっても輸入禁止地域は異なります。
但し、「土付きの植物」や検疫病害虫、菌類そのものは、海外全域からの輸入が禁止されています。
日本への輸入が禁止されている植物は、以下の6つに分類されます。
1.植物防疫法施行規則別表二に掲げる地域から発送、またはその地域を経由した、同表に掲げる植物
2.植物防疫法施行規則別表二の二に掲げる地域から発送、またはその地域を経由した、同表に掲げる植物
3.植物防疫法施行規則別表一の二に掲げる地域から発送、またはその地域を経由した、同表に掲げる植物
※同表の地域で栽培されたものは除く
4.植物検疫の対象となる、生きた病害虫や粘菌、寄生植物など
5.土又は土の付着する植物
6.上記1~5に掲げる物の容器包装
輸入禁止品の輸入許可
上記のように、輸入を禁止しているものであっても、以下の場合であれば、農林水産大臣の許可を受け、輸入することができます。
・試験研究のため
・博物館、動物園、植物園、水族館等の公共施設における標本としての展示及び保管のため
・犯罪捜査上の証拠品としての用のため
・ウリミバエ防除事業の実施のため、防除機関でのウリミバエの繁殖の用のため
これらの用途の場合、輸入に先立って「輸入禁止品輸入許可申請書」を植物防疫所を経由して農林水産大臣に提出します。
申請手続きから輸入許可取得までの流れ
植物の輸入許可取得までの流れは、以下のようになります。
1.お申し込みフォーム又はお電話にてお申し込みください。【お客様】
2.要件の確認と必要書類等についての打ち合わせを行います。【お客様・当事務所】
3.許可取得に必要な情報をお知らせいただく確認シートをお渡しいたします。【当事務所】
4.当事務所指定の口座へ費用をお振込み下さい。【お客様】
5.頂いた内容を元に許可申請書類を作成し、押印書類を農林水産大臣に提出します。【当事務所】
※必要書類等につきましては、郵送またはメールでのやり取りが可能です。
6.申請者の住所を管轄する植物防疫所による審査。【植物防疫所】
※必要に応じ、実地調査が行われる場合もあります。
※標準処理期間は、書類到達後1カ月~40日間程度です。
7.「輸入禁止品輸入許可指令書」及び「輸入許可証票」が発行されます。当事務所で受け取りの上、送付させていただきます。 【当事務所】
輸入が可能となります!
許可取得後、管理完了までの流れ
農林水産大臣による輸入許可を得た後にも、様々な手続きがあります。
1.荷送人により植物を発送します。【荷送人】
※輸入許可証票2枚を、輸入品の外装の見やすい場所に貼付した上で輸入してください(1枚は表、もう1枚は裏が見えるように貼付)
2.輸入検査が行われます。輸入許可条件に合致する場合、輸入認可証印が押印又は輸入認可証明書が交付されます。 【植物防疫所】
3.輸入品が管理場所に着き次第、輸入禁止品到着報告書を提出します。【お客様】
※提出先は、管理場所を管轄する植物防疫所長です。
4.毎年三月末日までに、輸入禁止品管理利用状況報告書を提出します。【お客様】
※提出先は、管理場所を管轄する植物防疫所を経由して、農林水産大臣です。
※利用が1年未満で、年度内に試験を終了するものは除きます。
5.試験等が完了した場合、輸入禁止品管理完了状況報告書を提出します。【お客様】
※提出先は、管理場所を管轄する植物防疫所を経由して、農林水産大臣です。
※事前に植物防疫官立ち会いの上で輸入禁止品の処分等が行われます。