関税番号とも呼ばれる「HSコード」とは?
「HSコード」とは、通称「HS条約」と呼ばれる「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約」に基づいて定められた、HS条約に加盟している159カ国・地域を含む、HSコードが適用される212カ国・地域(令和2年4月現在)に共通する番号のことをいいます。
日本では、別名として「関税番号」や「輸出入統計品目番号」、「税番」等と呼ばれることがあります。
HSコードは、あらゆる貿易対象品目を21の「部(Section)」に大分類し、6桁の数字で表します。6桁のうち、上2桁を「類(Chapter)」、類を含む上4桁を「項(Heading)」、項を含む上6桁を「号(Sub-heading)」といいます。
これらを記載したHS条約の附属書は通称「HS品目表」と呼ばれており、あらゆる商品が組織的、体系的に分類されています。
日本の関税率表は、HS品目表を必要に応じ、更に細分して作られています。
HS条約加盟国は国内法に基づき「号」の下を細分化できるため、日本では第7、8、9桁目を輸出入統計分類用に、第10桁目を輸出入・港湾関連情報処理センターが運営する「NACCS(税関他の行政機関への手続き及び関連業務を処理するオンラインシステム)用に使用されています。
通関申告時に輸入申告書に記載する関税額は、関税率に基づいて計算されます。関税率はHSコードで規程されるため、HSコードを特定しなければ関税額の計算ができません。
HSコードの6桁はHS加盟国及び準拠国が同じルールで分類するため各国共通ですが、品目がどのHSコードに属すかの判断は専門知識を要します。
輸出者が通知してきたHSコードを安易に使って輸入手続きを進めた場合、後で申告書類の訂正や修正申告が必要になることがあります。
初めての品目を輸入する場合は、税関の「関税分類の事前教示制度」を利用する方法等により、事前にHSコードや関税率を確認しておくほうが無難です。
経済連携協定(EPA)税率を適用する場合にも原産地規則や関税率はHSコードにより規程されているため、同じく、HSコード等を確認しておくほうが無難です。