農薬の輸入について
農薬の輸入に関わる主な法令
農薬を輸入する際に注意しなければならないのは、輸入時の状態や形態によっては「化学物質」に分類される可能性もあるということです。
その場合、以下の法令以外にも、外為法及び輸入貿易管理令に係る輸入申請が必要になることもあります。
化学物質の輸入については、「化学物質等の輸入について」をご覧ください。
一般的には、農薬の輸入に関わる法令は以下のものになります。
毒物及び劇物取締法
上記の毒物及び劇物取締法は、あくまで輸入を考えている農薬が毒物や劇物に該当する場合のみ、登録申請が必要となります。
農薬取締法に係る輸入規制
平成14年に改正された農薬取締法では、無登録農薬などの販売禁止農薬や使用禁止農薬は、販売も使用もできず、輸入した場合でも回収すると規定されました。
また、それ以外の農薬についても、基本的には輸入に先立って農林水産大臣の登録や手続きが必要です。
農薬取締法に係る輸入規制として、農薬は以下の4つに区分されます。
1.登録を受けている農薬
通関の際、登録票の原本等を提出(又は提示)します。
2.登録を要しない農薬(特定農薬)
※こちらは、①試験研究目的②植物防疫法における緊急防除の目的になります。
事前に農林水産省消費・安全局農産安全管理課長に「農薬輸入願」を提出し、これに押印されたものを通関時に提出します。
3.農薬輸入リストに収載されている農薬原体
通関の際、農林水産省消費・安全局長が作成した「農薬輸入リスト」を提示し、当該農薬がリストに収容されていることを示す書面を提出します。
4.農薬輸入リストに収載されていない農薬原体
事前に農林水産省消費・安全局農産安全管理課長に届出書を提出し、これに押印されたものと併せて輸入数量等の報告書を通関時に提出します。
毒物及び劇物取締法に係る輸入規制
農薬の中には、毒物や劇物に分類されるものもあります。
そのような農薬の場合、厚生労働大臣(都道府県知事経由)に「毒物劇物製造業(輸入業)登録申請書」及び添付書類を提出し、登録を受ける必要があります。
また、輸入後には全ての品目に関して取扱品目ごとの登録や、取扱責任者の設置義務、紛失等の防止義務や貯蔵義務など、様々な遵守義務が課されることになります。
特に毒性の強い「特定毒物」には、使用者や用途の制限等も定められています。