食品衛生法
食品衛生法では、薬事法で規制される医薬品と医薬部外品以外の全ての飲食物が対象となります。
注意したいのは、輸入の際に届出が必要となるものは飲食物だけではない、という点です。
以下が、輸入の際に届出が必要となります。
(1)食品
(2)食品添加物
(3)器具
これは、茶碗皿などの食器や箸、フォーク等のカラトリー、包丁や鍋、まな板などの割烹具と呼ばれるものです。
(4)容器包装
これは、食品等を直接入れるビンや缶、袋、包装紙などです。
なお、運用上は二重包装での外側(食品に触れていない方)は容器包装に含まれない場合もあります。
(5)厚生労働大臣が指定するおもちゃ(乳幼児おもちゃ)
こちらは、乳幼児の遊び道具のうち、口に接触することをその本質とするおもちゃや、手に持って遊ぶことで乳幼児が口に入れたりなめたりすることが考えられるものが対象となります。
ですので、天井からつり下げるメリーのように乳幼児の口に触れることがないものや、乳幼児用のおもちゃでないものは、たまたま乳幼児の口に触れる可能性があるとしても、対象外となっています。
上記とは逆に、食料品のうち届出が不要となるものは以下のものです。
①特定の食品製造原料
原塩、コプラ、食用油脂の製造に用いる動物性または植物性原料油脂、粗糖、粗留アルコール、糖みつ、麦芽、ホップ
②上記(5)以外のおもちゃ
③添加物、器具、容器包装及びおもちゃの原材料
④通常の使用方法で食品に直接接触しない器具及び容器包装
⑤販売又は営業上使用しないことを目的とすることが明らかなもの
これは、①個人用、試験研究用、社内検討用及び展示用の食品等②10kg以下の食品 のいずれかです。
⑥医薬品及び医薬部外品(薬事法で規制)
食品衛生法に基づく輸入手続きの流れは、以下の通りになります。
①検疫所での審査
届出をすると、まずは検疫所の食品衛生監視員によって内容や検査の必要性が審査され、検査を要する貨物と検査不要貨物に分けられます。
検査不要貨物となった場合、食品等届出済証が発行され、税関申告時に提示することで輸入が可能となります。
なお、適法な食品であるかの審査内容については、おおむね以下の項目につき確認がされます。
1.不衛生食品等の販売等の禁止
かび毒(アフラトキシン等)、有毒魚、貝毒、シアン化合物、食中毒品、腐敗・変敗等の問題のない食品であるか
2.添加物等の販売等の制限
指定外の添加物(サイクラミン酸、TBHQ、メラミン等)及びそれらを使用・含有している食品でないこと
3.指定外の添加物及びそれらを使用・含有していない
食品一般の基準、個別食品の基準、添加物の使用基準及び農薬・動物用医薬品等の残留基準を逸脱していない
4.器具等の規格及び基準
器具及び容器包装の規格基準を逸脱していない
5.おもちゃ及び営業外の食品供与施設への規定
乳幼児用おもちゃの規格基準を逸脱していない
6.過去に衛生上の問題が生じた製造者・国等の製品の制限
輸入の禁止、制限、検査の強化等を指定されているものでない
7.薬事法に指定された成分・原材料の制限
食品に使用できない(医薬品として指定される原材料や成分などです)ものを使用・含有していない
②命令検査
厚生労働大臣が必要と認める時に行われる検査です。
この検査は、輸出国の事情や食品の特性から、食品衛生法違反の蓋然性が高いものが対象となっています。
こちらの検査は、輸入者自らが費用を負担して検査を実施し、適法と判断されるまで輸入の手続きがストップします。
こちらの検査で不合格となった食品については、輸入することが不可能となり、廃棄、積み戻し又は食品以外の用途に加工した上での使用を求められます。
③行政検査
モニタリング以外の検査であって、初回輸入食品等の検査や食品衛生法に違反な食品等の確認検査、輸入途中で事故が発生した食品等の確認検査が、食品衛生監視員により実施されます。
初回輸入時や定期的な輸入時には、輸入者に対して自主検査を行うよう指導が入る場合もあります。
こちらの検査で不合格となった食品については、輸入することが不可能となり、廃棄、積み戻し又は食品以外の用途に加工した上での使用を求められます。
④モニタリング検査
食品衛生法違反の蓋然性が低い食品につき、品目ごとの年間輸入量や輸入者の過去の違反実績を勘案した年間計画に基づいて行われる検査です。
食品衛生監視員による試験検体の採取は行われますが、試験結果を待たずに輸入手続きを進めることが出来ます。
但し、後日法違反が判明した場合は、必要な行政措置が講じられます。
⑤食品等届出済証発行
検査等が終わると、輸入届等を提出した検疫所より食品等届出済証が発行されます。
⑥税関申告
上記⑤で発行された食品等届出済証を、通関時に税関に提示することで、輸入が可能となります。